BAAマーク
1台1台固有のシリアル番号が付き管理されます。
■BAAを取得するため申請料も必要ですし、合格するために部品のグレードもアップしなければならないので価格は従来より数千円高くなる傾向があります。メーカーによっては価格据置、もしくはさらに低価格にしてBAAをつけているところもありますが、BAAはサビ等もちの部分を規定していませんので、、安全に直接関係ない部分の品質をそぎとってもちが悪くなっていると考えるべきです。わずか数千円ですからBAA取得品でも良心的なメーカーを選ぶべきです。特にBAA規格を取得している量販のプライベートモデルは注意してください。

■BAAを取得していない製品でも十分にBAAをクリアできる品質の自転車が存在します。気に入った自転車なんだけどBAAが貼ってないと気が付いたら専門家にお尋ねください。

■BAAの対象車は一般車です。スポーツ車もルック車(もどき車)は対象ですが本格MTBやロードレーサーはもともと過酷な使用条件で設計されていますのでBAA対象外です。
日本初・自転車の安全規格
BAA制度(Bicycle Association(Japan) Approved
〜今まであるようでなかった自転車安全基準

●安全規格「BAAマーク」がスタートしました。

●「命を乗せて走るもの」ですから、車の安全基準や、火事や感電を未然に防ぐ家電製品の安全規格(日本:▽テ・マーク、北米:UL、CSAマーク、欧州:CEマーク)のように、これを満たしていないと販売できないというものが日本の自転車にもあるのかと思いきや、何と今まで野放し状態だったのです。「たかがチャリンコ」の世界だったんです。日本は。

●一部大手量販店でJIS取得の自転車を安全規格取得がごとくのようにテレビCMで流していたことがありましたが、JISとは本来「工業基準」。部品の「共通化」をうたう規格であり安全を云々するものではありませんし(一部該当する部分はありますが・・・。)、安全を満たすには不十分なものでした。

●この制度がスタートする背景に、ここ7,8年で市場を席巻してしまった粗悪自転車の事故多発があります。設計や製造段階の手抜きで、怪我や命を落とすケースが非常に多く発生するようになったからです。このままでは大変なことになるということで社団法人自転車協会、財団法人自転車産業振興協会が中心となり国内完成車メーカー・部品メーカーとともに数年前より準備を進めてきました。

●当初は経済産業省へ、法令化するために「PSC制度」というものを制定発布できるよう働きかけて制定間際まできましたが、自転車の特異性もあってか、大手量販店の圧力があったのか、結果的に法令化することを断念せざるを得ませんでした。

●そこで新たに自転車協会等での自主規制規格ということでこのBAAが始まりました。法令ではないので拘束力がないじゃないかと言われそうですが、大げさに言うと
「自転車のWindows」を目指しているのです。(ちょっと違うか?)Windowsは世界的に公機関が定めたOS規格でもなく、マイクロソフトの自主規格です。これが今や世界のスタンダードです。私的規格に合わせないと世界中のこの業界が動けなけないのです。要は自転車業界全体が自主的に安全を確保しそれが「当たり前」の世界にしたいということです。

●BAAマークの貼られた自転車が原因(交通事故以外)で
怪我や死亡した場合は製造メーカーや輸入業者が責任を負います。今まで粗悪自転車は製造者もわからない輸入業者もわからない1LOT販売が主流でしたので責任の所在がなく、今までのような粗悪品はBAA申請の段階で100%落ちてしまいます。ただし法令ではないので販売はできますが、雰囲気的にBAAを取得していない自転車は蔑視されるようになって行きます。量販ものもBAA取得に移行すると思いますが当然のごとく価格は上がっていかざるを得ません。

●BAAはドイツの厳格なDIN規格をベースにJISの良い部分と日本の自転車事情を盛り込んだ厳しい規格です。特徴的な内容は、
・フレームや車輪、駆動系に従来の静的試験からDIN規格にならい
動的なより現実的な試験を行っています。
制動力試験が従来より厳しく晴天時と雨天時の制動能力が同じ規格になっています。(裏を返せば晴天時は従来規格より短く必ず止まれる。)
・ライトは
オートライトか手元スイッチのダイナモランプ(足で蹴飛ばす人が多いため)